去る本年6月、東北XR界の巨星・はぎさんが亡くなった。ご持病での他界であったという。
残念ながらご家族や親しいご友人方など、ご本人以外との親交が無かった為、我々に訃報が伝わったのは既に葬儀も執り行われて暫く経った、あの暑い夏の盛り頃であった。
せめて墓前に手を合わせさせて頂きたい、とHD1さんから奥方に申し出たところ、御大の陵墓は秋田ではなく、栃木県内某所に在るとの事。存知上げなかったのだが、元々は北関東のご出身であったそうだ。思いの外場所も近い事だし、なるべく早い時期に・・・とは誰もが思っていたものの、なかなか果たせなかった。

先日のbabe君&ユカ嬢結婚披露旅行、思慮深い猛蔵さんが持参されたはぎさんの遺影は、そんな不義理な我々をも穏やかな笑顔で見守って下さっていた。


12月19日、9:30am。未だ朝の冷気が包む東北道・蓮田SAに、7台のバイクと9人のバイク乗りが集結した。無論、その目的ははぎさんの墓参である。結局この年の瀬にまでずれ込んでしまったが、どうにか年内に実現する事が出来た。何故人数に対して車体が少ないのかと言えば、1人はパッセンジャーシート、1人はクルマでの参集だからである。


ガッタゴト号XR1000のパッセンジャーシートにて参じたのは、愛機が無期限車検切れ中のオガっち。ガッタゴト氏の要望により、moto号XLCRも昨夜Wシートに換装し、有事のオガっち積載に備える。道中の厳寒を想定し、オイルクーラーのコアカバーも装着済だ。


集合時間から遅れること約10分、本日8台目のバイクにして10人目のバイク乗り、ふにゃ山さんが到着。ふにゃ山さんが継承された遺志、XR1000はぎスペシャルと葬列を組むのが本日の主題の一つであったのだが・・・何故か明らかに車両が違う。
聞けば、はぎスペシャルで幹線道路へ出たまでは良かったものの、そこで何の予兆も無くバッテリーが急逝。如何ともし難く自宅までの上り坂をどうにか押し戻り、無念ではあるがバイクを換えての再出撃となったとの事。然したる理由も無く、集合時刻に遅れる様な人ではない。
兎に角これにて全員が集合、一路栃木県内某所を目指す。


蓮田から凡そ30分ほどのICで高速を降り、若干道に迷いつつも走ること更に約30分。そこに、はぎさんの菩提寺はあった。
特に何の根拠も無く人里遠く離れた山寺を想像していたのだが、思いの外呆気無く到着してしまった。いや、福井よりクルマで参じたtakkey君からしてみれば、さぞ遠かった事であろうが・・・


御大の墓前に一同手を合わせ、花を手向け、線香を上げる。火を点した煙草も供える。愛煙家であった。紫煙よ、はぎさんの元まで届け。

そして、墓前にてコーヒーを淹れる。愛飲家であった。ただしコーヒーの。下戸とは言わぬまでも、酒はめっぽう弱い方であった。
コーヒーを供するのはガッタゴト氏の発案だったのだが、素直に良い案だなと思えたので、用具一式はmotoが持参した。天国が“ 酒はうまいしネエちゃんはキレイ ”な場所である事はザ・フォーク・クルセイダーズ以降広く知られているが、天国のコーヒーが美味いとはついぞ聞いた事が無いからである。コーヒーと言えば“ 地獄の様に熱く、悪魔の様に黒く ”と相場が決まっている。天国には似つかわしくない代物なのかも知れぬ。


墓前にて集合写真を撮ろうと試みたのだが、立地が急斜面である事と、持参した三脚が小振りであった事とが相まって、motoを筆頭とした数名が冥府の住人の様に写ってしまった。はぎさんも笑って下さっているのではなかろうか。

すっかりお騒がせしてしまったが、せめてコーヒーはゆっくりと味わって戴きたく・・・ステンレスのマグカップを墓前に残し、その場を後にした。いつかまた、お会いしましょう。


所用の為、墓参には参加出来なかったデビルタツさんと帰路で合流。すると唐突に、コンビニ駐車場にてXR品評会が開幕! 完全なバックヤードビルダー仕様であるデビルタツ号XR1000に、一同興味津々だ。
質問攻めも尽きる事が無いので、適当に切り上げて佐野ラーメンで昼飯とする。ラーメン自体もなかなかだったが、オプションの餃子が実に秀逸であった。味が、というよりも、その大きさに於いてである。3個一皿で相当な満腹感が味わえた。


後は各々はぎさんの想い出に浸りながら、粛々と家路に就くのみ・・・の筈だったのだが。ガッタゴト氏の背後で、高速チケットを東北道の風に散らせたオガっちが最後に笑いを添えてくれた。


そもそも、moto以外は全員がXR1000、若しくはS−XR1200を『 所有 』するこの集団である。XRを駆らぬmotoにとってでさえ、この縁はXRというバイクが紡いでくれたものである事に間違いが無い。今となっては車種など単なる切っ掛けに過ぎないが、はぎさんへの感謝と敬意を表して、今日ばかりはXLCRに’80sレーシングディビジョンの息吹を吹き込んだ。ささやかながら、純正OPのタンクキャップメダリオンである。


はぎさん

いつまでも、あの時の姿のままで・・・



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