19-20.OCT.’13


10月19日、6:50am。睡魔に襲われつつ地下鉄に揺られている。未明まで行なっていたブレーキのエア抜きやオイル交換が、この鮮烈な眠気の原因である事は疑う余地が無い。無論、それら準備の全ては無為に帰したという事である。
本来であれば今頃は関越道・高坂PAに愛機を滑り込ませている時間帯であるが、早朝の緊急連絡網で事態は一変。関東甲信越地方に大雨との予報を以て、温泉一泊ツーリングはクルマでの温泉一泊慰安旅行にあっさり取って代わられたのである。集合時刻と場所も変わり時間には余裕が出来たが、とは言え二度寝する程でもない。取り敢えずカブトムシの世話などしながら時間を潰し、ツーリング支度をたたんで自宅を出た。


7:45am。クルマ1台に乗合の為、新宿組のガッタゴト氏、babe君の元にノビン氏、いしちゃん、検ちゃん、motoの4名が一先ず集結し、いざ出発進行。
9:00am。“ 高坂にバイクで集合 ”という行動予定を唯一人堅持したアヤちゃんをPAでピックアップし、これで今回のフルメンバーが揃う。ノビン氏は人様のバイクに跨り、当面不要なイメージトレーニングに余念が無い。

週末にも関わらず関越道はさしたる混雑もなく、順調に藤岡JCTから上信越道へ。佐久平PAでの休憩を最後に、小諸ICで高速を降りる。


11:50am。浅間サンラインから地蔵峠、長閑な一般道を往くこと暫し、いしちゃんの『 ハラ減った 』の掛け声で嬬恋辺りの蕎麦屋に駆け込む。この暖簾を潜るのが当初より予定の行動だったのかどうかは知らないが、ここ、いっさく庵で戴いた十割そばは充分に美味であった。十割を供しているだけあって、食後のそば湯も流石に濃厚である。


その後は万座から白根山、現・日本国道最高地点を擁し、雲海を眼下に望む志賀草津高原ルートを辿る。当日はこの周辺エリアがミッレミリアの通過ポイントに設定されていたらしく、時折道を往くジャガーXKやMGらも高原の風景によく馴染んでいた。


2:30pm、湯けむりたなびく湯田中渋温泉郷を散策。湯田中駅旧駅舎の味わい深く枯れた雰囲気もさることながら、取り分け昭和初期の旅館建築、金具屋の特徴的な意匠は某アニメーション映画の舞台のモデルになったとかならないとか・・・ 何れにせよ情緒溢れる街並みである、出来ればクルマを停めて足早に見物、ではなく、浴衣に下駄を引っ掛けてノンビリそぞろ歩いてみたい。無論その時はバイクで訪れたいものである。


4:00pm、湯田中から程近い今夜の宿にチェックイン。毎度の温泉旅館とは趣を異にする佇まい、慣れない雰囲気に若干戸惑う。それにしても、結局ここに到るまで雨らしい雨に降られる事も無く、むしろ今や西日の眩しさが目に痛いほどである。

7名で2部屋を押さえた客室内は必要にして充分のクオリティ、しかしベッドは各室2台しかない。気を遣ったのか本音なのか、『 布団じゃないと落ち着きません 』という検ちゃんの言葉を鵜呑みにし、413号室ではbabe君とmotoがベッドを確保した。


今回の宿の選定は、“ 離れの露天風呂が絶景 ”という触れ込みが決め手だったらしい。運転お疲れ様なのはbabe君だけ、一同バイクではないので別に汗もかいていないが、それでも取り敢えず一っ風呂浴びて、便宜上(笑)汗を流す。

湯上りの缶ビール1本でどうにか間を繋ぎ、6:00pm、待望の晩飯にありつく。何故か牛しゃぶと巨峰の組み合わせのみを延々と消費し続ける輩が居たりするのもビュッフェ形式ならではの光景か・・・ それぞれ思い思いの料理を掻き込んで腹を満たした後は、部屋に戻ってお約束の酒盛りである。


月に照らされて二度目の入浴を挿み、415号室を河岸にしての酒盛りはなおも続く。毎度の如く四方山話は尽きる事が無かったが、心なしかテンションは控えめだった様な気もするのは、今回の交通手段がバイクではないせいか・・・? ともあれ、今宵最も多く語られたキーワードが“ ノビン 天使 ”であった事だけは確かだろう。
2:00am、一同就寝。


明けて10月20日、6:20am。同室のbabe君の気配で起床。露天が営業時間外なので、残念だが朝風呂は屋内大浴場で済ます。

7:00am、朝飯も晩と同様にビュッフェ形式である。スクランブルエッグにベーコン、クロワッサンとコーヒーでアメリカンブレックファストを気取るが、箸しかないのがご愛嬌だ。ジュースなら当然オレンジジュースが気分だが、林檎ジュースしかないのも信州ならでは() もっとも結局これだけでは足りず、この後にご飯と味噌汁も戴くのだが・・・
因みに昨夜牛しゃぶと巨峰ばかりを食し続けたとある人物、今朝はヨーグルトばかり延々と掻き込んでいた。

9:00am、夜半過ぎからようやく降り出した雨は、宿をチェックアウトする頃には本降りとなっていた。これで辛くも胸を張ってクルマで帰途に就けるというものだ(笑)


土産物を買う為に青果販売所へ立ち寄った程度で、帰路は特に観光もせず足早に東京を目指す。それにしても雨の日の高速道路は退屈だ。車中で話が弾んでいる間はまだいいが、少し沈黙が続けばたちまち一人また一人と眠りに堕ちていく。運転役のbabe君に気が引けるのでかなり努力はしたのだが、正直motoも若干船を漕いでしまった。

しかし往路・復路共に飛び抜けて快眠していたのは、やはりいしちゃんであろう。その無防備な寝顔が皆の恰好の被写体となっていた事は無論言う迄も無い。よほど日頃の疲れが溜まっているに違いない、やはりそれだけ馬車馬の様に働かなければ、『 買っちゃおっかな〜 』を決め台詞とする事など出来ないのか・・・


12:30pm。往路同様に高坂PAへ立ち寄り、ここからは独りバイクで帰るアヤちゃんを降ろす。帰りの雨は当然予定に織り込み済みだった筈なので、レインウェアからバッグカバーまで雨対策は抜かりない様だ。完全装備でこちらに別れの手を振るが、その姿はどこか囚われた宇宙人というか座敷童子というか・・・何らかのUMA=未確認生物っぽい(笑)

この後間も無く我々のクルマは高速を降り、今回の旅行も残すところ僅か。ところが高坂での別離から僅か数十分後、アヤちゃんからの一本の電話が我々の安息を破った。どうやら高速道路上で転倒したらしい・・・! 訊いた感じではスリップダウンらしく、中央分離帯だかガードレールにバイクが突っ込んでしまい、一人では如何ともし難い様だ。最初は面喰らったが、まあ本人が電話を掛けて来ている位なので、怪我は打ち身と擦過傷程度で済んでいるらしい。冷たい様だが、安全な場所に退避してから警察と高速道路公団に救援要請する様に助言して、一先ず電話を切った。実際のところ我々がUターンして駆け付けたところで、高速道路上、しかも追い越し車線側では手も足も出ない。一般道ならいざ知らず、二次災害の危険が増すだけである。心情的には飛んで行って傍に居たくもあるのだが・・・
立たなきゃ 自分で・・・

結局その後警察にバイクを引っ張り揚げてもらい、フロントブレーキは使えないが自走可能なので乗って帰る、との報告を受ける頃には、我々の足は既に飲み屋に向かわんとしていた(笑) そう、外野がとやかく言える事など何も無い、本人は充分凹んでいる・・・筈である、多分。そもそもが雨のせいでの転倒ではあろうが、雨のお陰で軽傷で済んだとも言えるのだ。無事これ名人、生きてるだけで丸儲け。一安心したこの後の打ち上げでは何事も無かったかの様にバカ話が弾み、夜はまた更けていったのである・・・


これは後日談となるが、翌21日の夜、motoの姿は昨夜に続き再びガッタゴト邸にあった。実は打ち上げの後、二人で軽く呑み直した際に旅行の土産物を置き忘れてしまったのだ・・・ その名も“ 信州産ふじりんごをまるごと包んだ ”りんごバームクーヘン。先延ばしにすると傷みそうなので、XLCRを引っ張り出して速やかに回収しに行く事にしたのである。結局、最後はやはりバイクで締める羽目になったワケだ。無論、ガッタゴト氏と顔を合わせてあっさりと踵を返せる筈も無い。ノンアルコールビールで乾杯し、今夜もまた更けていくのであった・・・



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