31.AUG.’13


8月31日。実際にはまだ当分のあいだ厳しい残暑が続くとは言え、何故か8月の終りには“ 夏の終り ”を感じる。何年か前にも書いたのだが、これはやはり小・中・高と人格形成期に含まれる12年もの間、少年にとっての“ 夏そのもの ”と言える夏休みが8月31日までだった事に起因するのであろう。
まあ現段階では敢えて記すまでもなく連日暑いのだが、今年の夏がどれほど暑かったかなど、来年になればどうせ忘れてしまう。いつの日かこの夏を振り返る時の為に、くどいと思いつつもここに記そう、『 2013年の夏はとにかく暑かった 』と。

これも頻繁に記しているが、暑いのは大の苦手である。故に、真夜中も25℃を下回らないこの8月の東京で、空冷大排気量に跨りたいなどとは殆ど思わないというのが正直なところだ。まあ実際には少しは乗るのだが・・・ あまりバイクに乗らない夏の楽しみ方、浴衣の女のコとか水着の女のコとか大人の事情も色々あるにはあるのだが、むしろ童心に帰って楽しんだ今年の夏をここに綴る事とする。


涼を求めたいのなら、やはり手っ取り早いのは東京脱出だ。この渓流など市街地からさほど離れていないのだが、あまり人の手が入っていない感じがイイ。下流域なので指先が痺れるまでの冷たさはないが、岩をめくればクロカワムシやピンチョロなど川虫の類も豊富に見られる清冽な流れである。魚影もあるが、残念ながら今回は釣具を携行していない。

川面を悠然と哨戒飛行中のオニヤンマと対峙。やはり眼力がある。


その両岸に広がる木立も見るからに有望そうな感じだったので、夜中に出直してみたところ、期待通り小一時間で大小取り混ぜ8匹のカブトムシを捕獲する事が出来た。数日間一つの飼育ケース内で全匹観察し、中でも元気の良い2ペアを選別、残りは自然に帰す事とした。現在に至るも健康状態は良好、産卵も確認出来た。


対して不漁だったのがクワガタである。今回捕獲出来たのはノコギリクワガタ(♀)、コクワガタ、スジクワガタの計4匹のみだったので、当然全てリリースした。
因みに、ムルシエラゴよろしくデカくてゴロンとしたオオクワガタより、コルベット・スティングレイの様にシェイプと曲線が効いたミヤマクワガタやノコギリクワガタの方が“ らしさ ”があって個人的には好きである。

想い返せば、子供の頃は専らカブトムシが羨望の的だったのだが、近年はクワガタの方がめっきり少なくなった様な気がする。そう遠くない将来、国産天然物のカブトムシやクワガタなど捕れない時代が来るのだろうか・・・


そうなると例えばカナブンとかカミキリムシとか、今までは言わば雑魚扱いだった甲虫を子供が飼育ケースで飼う様になるのかも知れない。因みに、個人的にはルリボシカミキリやゴマダラカミキリなど見た目が実に綺麗なので結構好きである。但し、捕まえても飼った事はないが・・・


今夏の珍客と言えば、随分と久し振りに見たタマムシである。このヤマトタマムシは知人が出先で捕まえたのをわざわざ届けてくれたのだが、独特の金属光沢が何とも美しい。形は単なる特大コメツキムシだが・・・
折角貰ったので飼ってみる事にしたのだが、タマムシは今まで守備範囲外だったので生態がさっぱり解らない。樹液を舐めず、葉ばかり食べているという事も昆虫図鑑を紐解いて初めて知った。取り急ぎ近くの公園で掻き集めてきたケヤキの葉を与えてみたのだが、数日が経っても一向に食べる気配が無い。飼育の難しい昆虫だとは聞いていたのだが、これには閉口した。リリースしようにも自宅周辺の環境にはあまり馴染まなそうに思えたので、色々と手は尽したのだが結局一週間弱で絶命した。
かの有名な『 箪笥に入れておくと着物が増える 』という民間伝承は知っていたので、現在では我が家の洋服ダンスの一角で永眠されている。


これも夏の醍醐味、地方都市の小じんまりとした花火大会に足を運ぶ。何万発も上がる有名な大会の様な派手さは無いが、人混みに揉まれずノンビリ楽しめるのがイイ。


そして、夏の終わりにファミレスのカレーを食べる。広く世間一般にカレーは“ 夏の食べ物 ”と認識されている様なので、夏はあちこちで『 夏のカレーフェア 』的なヤツが催されている。つまりカレーも夏の季語ということか。
カレーは大好きなのでカレー屋のカレーは年中食べているが、夏のカレーフェアのカレーは夏にしか食べられない。故に毎年8月末には焦って色々なファミレスに足繁く通うのだが、前回気に入ったカレーを続けて頼んでしまったが為に気になっていたカレーを食べそこねたり、メニューにあるカレーを一通り試してみたいが為にもう一度食べたかったカレーを食べそこねたり・・・ 毎年、何らかの心残りと共に夏のカレーフェアは終わる。
夏の終わりは寂しいものと相場が決まっているが、その寂しさには去り往くカレーフェアへの惜別の念も含まれているのか・・・

嗚呼、今年も、夏が終わった。



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