6-7.OCT.’12


10月6日、6:10am。東京タワーだけが昨夜の名残の灯を燈しているものの、空は既にすっかり白んでいる。予定より少々出遅れはしたが、さほど焦っているワケでもない。昨夜の内に調子見がてらガスも満タンにしておいたし、後は即座に首都高へと駆け上がり、ただひたすらにアクセルを開け続けるのみだ。今日は久々の温泉一泊ツーリングである。


7:05am、中央道・初狩PAにて他の面々と合流。出発前の予想に反して、ここまでの道程は実に厳しいものだった。5分程度の遅刻で済んだのは、道中あのマシンと出逢えたお陰である・・・

思い返せば首都高C1から4号線に流れて早々の事故渋滞に始まり、中央道に入って後も次々と3連休初日ならではの下り渋滞に見舞われ、擦り抜けに次ぐ擦り抜けを余儀無くされた。談合坂SAを過ぎる辺りで渋滞からようやく抜け出す頃には、長時間に亘る擦り抜けで既にやや疲弊していたのである。その刹那!この不遜な鼻先を香しいオイルの匂いがくすぐる。前方に目を凝らすと、遥か彼方に白煙を撒くマシンのシルエット。萎えかけた闘争心に火をくべて徐々に追い縋ると、白煙の主はそのグラマラスなヒップラインを悩ましげに見せつけてきた。
ヤマハRZV500R・・・言わずもがな、OW61レプリカを標榜した’80sの名機である。
流石に周囲を流れるクルマや他のバイクとは一線を画すペースで疾走っていたが、走行車線側より虚を衝いて一息に抜き去る。無論本気を出されれば太刀打つ術もあるまいが、こうして追い抜いてしまった以上は再びその背中を易々と拝むワケにもいかない。誇り高きV4モンスターをミラーから消し去る為だけにアクセルを捻り続け、ここ初狩まで辿り着いたのである。


ところがXLCRをクールダウンしていると、さほど間を空けず先刻のRZVがその後ろに滑り込んできた。どうやら彼もここでツーリング仲間達と落ち合うのか、それとも朝飯かコーヒーブレイクのタイミングだったのか・・・

・・・いや、後頭部に“ 大垂水峠 ”のステッカーも眩しい、そのRX−7のアイポートから覗く眼光には確かに見覚えがあった。
そう、“ 港北の白い弾丸 ”こと、S−XR1200DTのノビン氏である! 何という事か・・・

聞けばこのRZVは先日入手したばかりで、今回が実質的なデビュー戦といったところの様だ。無論、増車である。
『 今回はネタを仕込んである 』と事前に聞き及んではいたのだが、過去の実績からむしろ下世話な類のものを想像していただけに(笑)、これはあまりにも新鮮かつ素敵なサプライズであった。一瞬でPA中?の視線を奪い去ってしまった事は言うまでもあるまい。

毎度ながら楽しいツーリングを企画運営してくれるbabe君も、実は秘かに“ ネタ ”を仕込んでいた。ビューエルS1Wホワイトライトニング。本来であれば当ツーリングはこのS1Wの華々しいお披露目会、無論そうして周囲の注目と称賛を一身に集めるに値するマシンである。しかし今回ばかりはbabe君の目論見もやや不発、カタログスペック101馬力の白い稲妻も、残念ながら主役の座をノビン号RZVに奪われてしまった(笑)


7:50am。朝飯を摂る者、コーヒーを啜り談笑する者、一同ひとしきりの休憩を終えて初狩PAを後にする。幸い、この先に渋滞の気配はまるで無い。

快走するノビン号RZVの勇姿に、『 汚れた英雄 』のサントラLPを久々に引っ張り出して“ RIDING HIGH ”を聴きたくなるのはmotoだけでは無い筈だ。欲を言えば、メットは平レプリカでキメて欲しいところである。


XR1000とS1Wをスワップ中のガッタゴト氏とbabe君。何故だろう、両車共に微妙な違和感が・・・(笑)? S1Wにはガッタゴト氏のコンペシールド付ジェットがやや旧臭く、babe君のXR乗車姿は随分と永らく目にしていなかったからであろうか?


手ブレのおかげで綺麗に見えるが(笑)、会う度に着々と疵が増えてゆくアヤちゃん号ZX−6R。我々の目の届かない場所では専ら地面やネズミ捕りとばかり仲良くしているらしい・・・

対して久々の参加、ひで。パパのZ1−Rは相変わらず美しく磨き上げられている。曰く、『 XRだったら持って来ない 』らしいワイヤーロックもしっかり携行している(笑)


楽しげにRZVを追い回していた、いしちゃんのS−XR1200。追い抜きざま向けたデジカメにポーズを取るも、明らかに風圧に敗けている(笑)

近接排気音では間違いなく今回の参加車中No.1であろう、DEZIのTC88B。正直言うとモデル名は把握していないのだが、ワインディングも案外器用にこなしていた。

・・・さて、走行中にデジカメを操作する際には、大抵外したグローブをカウルとスクリーンの隙間に突っ込んでおくのだが・・・双葉SA数km手前のギャップで跳ねた時に、左グローブのみが後方に吹っ飛んで中央道の露と消えてしまった。予備としてウィンターグローブも一双携行していたので差し当たって困りはしないのだが、安物ながら一応米国製の鹿革グローブ、惜しい事をしてしまった。


今なおXRが検切れ中の為、今回もワルキューレにて参加のHD1さん。最近これしか見てないなあ〜

HD1さん随行にて初参加のT中さんとスズキ・イントルーダークラシック400。イントルーダーと言えば即座にラッキーストライクのCMが想い浮かぶ世代にとって、現行モデルの低く構えた車体は何とも意外である。恐らく傍目には、これが一番H−Dっぽく見えるのではなかろうか(笑)


9:15am。双葉SA、八ヶ岳PAと2度の休憩を挿み、諏訪南ICで中央道を降りる。毎度ながら自分の乗車画像が無く寂しいので、試しに料金所のミラーでパチリ。しかしこの上がりを見る限り、実に無意味な1枚であった(笑)

健ちゃんこと検ちゃんのF650GSが撮れていないのは、高速上でかなり離れた位置を走っていたからであろう。考えてみればbabe君自身とS1Wの画像も無い。まあ、それらは帰路の宿題として残す事とするか・・・


10:30am。八ヶ岳エコーライン、蓼科ビーナスライン、白樺湖等を経由し、霧ヶ峰にて休憩。ここでお約束の撮影タイムとなる。揃ってバイク撮影に興じる一同の姿を撮るmotoの、その姿を更に撮るHD1さん。もはや合わせ鏡の様な無限連鎖がここに生じていた(笑)


元来はXR1000の集いとしての意味合いが濃かったこの集まり。暫く前までは“ XR会の末席を1台のCRが汚している ”といった体裁だったのだが、ここ数年はどうにもXR離れが顕著である。一時期の伊車大攻勢は収まったものの、今回は国産車勢の躍進著しく遂に4メーカーが揃い踏み。そこへ極右勢力と思しき人物さえも知らぬ間に加わり、一行はもはや正体不明の集団と化してしまっている(笑)


11:30am、美ヶ原高原美術館・駐車場にてガッタゴト号XRと、ゴトレプこといしちゃん号S−XRが久々の揃い踏み。最近いしちゃんが純正“ デイトナシート ”(命名by.ガッタゴト氏)と“ サフェーサー色 ”(命名by.moto)7スポークキャストを導入した事により、本人の意思に反して?かなりの追従感が漂ってしまった(笑)

1:00pm、道の駅館内の和食処で『 舞茸天ぷらそば御膳 』のオーダーに背いて突き出された『 舞茸天ぷらうどん御膳 』に憤りを感じつつも昼食を摂り終え、日帰り組のHD1さん、T中さん、いしちゃんには、ここでアモーレの鐘と共に別れを告げる事となった。


3:30pm。午後の部の走りに関する記述を一切割愛し、いきなり今夜の旅籠、新鹿沢温泉・ホテル鹿沢真田屋に到着。それと言うのも、babe号S1W虎の子のホワイトパワー倒立が突如シール抜け、フロントタイヤまでフォークオイル塗れとなり、峠を楽しむどころではなくなったからである。それにかこつけ、実は先刻からXLCRのセルが回らなくなってしまったmotoも、極力早く宿にシケ込みたかった。恐らくは単にスイッチボックス側の接触不良の様なのだが、こうしてケチが付き始めた時はさっさと休むに限る・・・ましてや、走行中に自らキルスイッチを押して慌てふためくZX−6R乗りなんかが現れ出した時は尚更である!


宿に着いたからには兎にも角にも一っ風呂である。露天風呂は時間入れ替え制のいわゆる家族風呂方式。ひなびた風情はなかなかだが、ヤロー7人で浸かるには少々狭いか?
それはさておき、どうやらこの杉板の間仕切り一枚を隔てた向こう側は女湯という定義らしい。掛け流しの湯は若干ぬるめであったものの、検ちゃんの言を借りれば、男湯と女湯の『 この距離感はアツい 』(笑)


湯上りに1、2本の缶ビールを空け、6:00pm過ぎより広間で晩飯にありつく。到着時に宿の主人より『 夕方から雨 』との情報を得ていたので、降り出す前にせめてメーターとスイッチボックス廻りだけでも、ビニール袋を被せる程度の対策はしておこうと思ったのだが・・・時既に遅し、この時点で外はもう土砂降りであった(笑)
開き直って楽しむ食事は特に贅を尽くした様な物ではなかったが、鍋奉行babe君とDEZIの奮闘により、締めの雑炊まで充分に美味しく頂けた。個人的には、サクラマスのお造りもなかなか美味であった。


食後は河岸を自室に移し、缶ビールと焼酎水割りがメインの2次会を開宴。一行には各部屋4名ずつの計2部屋が割り当てられていたが、うち301号室がその会場となった。
早々に眠りに墜ちたノビン氏や、帰路は早々に引き揚げムードの多数派をよそに、明日のルート選定に余念が無いアヤちゃんと検ちゃん。どうやら我々とはそれぞれ別行動をとり、明日もたらふく疾走って帰る腹積もりの様だ。夜も更けてなお地表を叩く大粒の雨音を聴きながら、日付の替わる頃に就寝。


一夜明けて10月7日、7:00am。雨はすっかり上がっていた。広間での簡素な朝食を済ませ駐車場に足を向けると、既にノビン氏とひで。の2人が愛機を覆う雨露を掃っている。常日頃のマシンの輝き具合から鑑みれば、実に合点のいく光景だ(笑)


言うまでも無くmotoはそこまで殊勝なタチではないので、単にメーターレンズが白濁していないかを確認しに来ただけだったのだが・・・そんな事が二の次で良くなってしまう程に、一晩雨に打たれたサイアミーズ管は抜群の侘び寂び感を醸していた! 温泉地の場所柄とは言え、あたかも硫黄分の様にすら見えるこの風合い、このまま一月も放置すればたちまち土に還りそうである(笑)
敢えて言うなら、防水性能を一切有しないAMF期のスイッチボックス内部への浸水も心配ではあるが、今更何をしようと後の祭りである。


出発までにはまだ時間があるので、昨晩に続いて2度目の屋内大浴場に浸かる。露天とは打って変わって、こちらはかなり熱めの湯だ。湯上りに廊下のソファで呑むポカリ○エットが体中に染み亘る。
その頃、2日目の時間を惜しんだ検ちゃんは一足先に宿を発っていた。結局、F650GSの画像はまたの機会にお預けとなった・・・


10:00am、一同身支度を済ませ宿をチェックアウト。皆が暖機運転を始める中、motoも恐る恐るイグニッションキーを捻りセルボタンに指を添えると・・・大方の期待、いや心配に反して、辛うじてエンジン始動。これでどうにか家路に就けそうだ(笑)

湯の丸峠の緩やかなワインディングを流し、浅間サンラインから最寄の小諸ICで上信越道に乗る。一般道を択んだアヤちゃんとはここで別離した。


上信越道・横川PAでの給油中に周囲を一時暗雲が覆うも、帰路は終始順調。路面は時折濡れているが、頭上は常に晴れている。自ら宿題としていたbabe号S1Wの画像も無事撮れた。

三芳PAにて最後の給油を挿み、1:20pm、関越終点・練馬ICで高速を降りるといきなりの渋滞。時季外れの都内の暑さに閉口したが、程なく谷原交差点にて神奈川方面隊と分かれ、ここで一応の解散となった。実走距離こそやや控え目だったものの、奇跡的に天候にも恵まれて、実に楽しい2日間であった!


2:15pm、自宅に到着。予想外に早い帰宅となった為、折角なので疑惑のスイッチボックスをバラしてみる。軽く接点を磨いて注油してやると、セルはすぐ回る様になった。ついでに暫く前から作動していないブレーキスイッチも交換したかったのだが、残念ながら部品を用意していない。こちらは一先ず次回に譲り、止む無くスイッチボックスを元通り組み付けた。さて、小腹も減ったので遅めの昼飯でも摂る事としようか・・・



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